
胃潰瘍や胃がんの原因にもなる【ピロリ菌】。
ピロリ菌感染者の胃がん発症リスクは5.1倍に高まるとのこと。
こんな恐ろしいピロリ菌ですが、にんにくの成分には、ピロリ菌の繁殖を抑制する作用があるのです。
下水道の衛生環境が整っていなかった時代を過ごした方=高齢の方ほど感染者が多いと言われていますので、心配な方はピロリ菌検査を受けたり、ピロリ菌抑制のためににんにくを食べるのもおすすめですよ。
日本でのピロリ菌感染率はどれくらい?
日本では年々感染している人の数は減っていますが、それでもまだ30~40%の人がピロリ菌に感染していると言われています。
年齢が高いほど感染確率も高く、50代以上では40%以上の方が感染しています。
対して、10~20代では10%以下と見られています。
なぜ高齢な人ほど感染率が高いかというと、理由はピロリ菌の感染経路にあります。
ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌の感染経路については、ハッキリしたことが分かっていないのですが、飲み水や食べ物を介して口の中に入り感染するのではないかと言われています。
ピロリ菌は、免疫機能がまだ十分に発達していない幼児期に感染することがほとんどで、大人になってからの感染はほとんどありません。
現在、高年齢の方々は、下水道などの衛生環境が整っていない時代に幼少期を過ごしているため、感染者が多いと考えられます。
今は上下水道がしっかり整っていますので、ピロリ菌感染はどんどん減っていきますが、若い方でも、幼少期に感染者である母親からの経口感染の可能性があります。

ピロリ菌に感染すると胃潰瘍や胃がんになりやすくなる
多くの研究から、ピロリ菌が胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんの原因となっていることが分かっています。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は一度発症すると、治癒しても再発を繰り返す厄介な病気だったのですが、ピロリ菌を除菌することで再発がほとんど無くなるのです。
また、胃がんについては、WHO(世界保健機関)は1994年に「ピロリ菌は確実な発がん因子である」と認定しました。
さらに2014年には「胃がん対策はピロリ菌除菌に重点を置くべきである」と発表しています。
にんにくはピロリ菌の繁殖を防ぐ
そんな厄介なピロリ菌ですが、にんにくの成分が繁殖を抑制すると注目されています。
生のにんにくをすりおろした時に出てくる硫黄化合物の【アリシン】は、非常に強い殺菌作用を持つことで知られています。
【アリシン】の殺菌作用はさまざまな細菌に有効で、胃酸でも消えないピロリ菌さえも抑制することができます。
1989年のアメリカ国立がん研究所と北京がん研究所との共同研究では、にんにくの産地である中国山東省で、にんにくを多く食べている人ほどピロリ菌が少なかったことが報告されています。
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ピロリ菌の検査方法は?
ピロリ菌に感染していても、ほとんどの場合症状がありませんので、自分が感染しているかどうか?分からないことが多いのです。
ですので、特に高齢の方は、症状がなくてもピロリ菌に感染している可能性が高いので、一度検査してみると良いかもしれません。
ピロリ菌に感染しているかどうかを検査する方法は、胃内視鏡を使用する検査と使用しない検査があります。
内視鏡なんていうとちょっと大げさで、いちいち検査に行くのも面倒なので、簡単なのは、健康診断や人間ドックを受診する時の血液検査で、ピロリ菌有無をオプションで調べてもらう方法があります。
また、健康診断を受ける機会が少ない方は、自宅で精度の高い検査のできるキットがありますので、これを利用するのも便利です。
にんにくでピロリ菌を抑制 まとめ
ピロリ菌に感染しているからと言って、すぐさま胃潰瘍や胃がん発症ということではなく、感染していても一生無事に過ごす人のほうがはるかに多いということも事実です。
だからピロリ菌を過剰に恐れる必要もないのですが、絶対に大丈夫という保証もありません。
にんにくの成分が胃潰瘍などの原因となるピロリ菌を抑制するのに役立ちますので、気になる方は取り入れてみてはいかがでしょうか?
ただし、にんにくはあくまで食品ですので、ピロリ菌をしっかりと除菌したい場合は病院で診療を受けて薬をもらいましょうね。
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