
元気やスタミナをつける食材として真っ先に思い浮かぶのは「にんにく」ではないでしょうか。
ニオイが強いから敬遠されることもありますが、疲労回復だけでなく、血液サラサラや、便秘、美肌、冷え性改善など、女性にも嬉しい効果がたくさんあるんですよ。
さまざまな健康効果を期待できるにんにくは、調理のしかた次第でさらにパワーアップするという不思議な食材。
簡単ににんにくパワーがアップする方法を活用し、より効果的な食べ方を実践しましょう。
でも、ニオイは相変わらず消えてくれませんので、食べた後のニオイの消し方も一緒にご紹介しますね♪
にんにくの効果は?
にんにくが元気の出る食材だということは有名ですよね。
でも、にんにくには、疲労回復・滋養強壮のほかにも期待できる効果がたくさんあって、それらがパワーアップするとなればちょっとワクワク!
まずはどんな効果があるのか?主なものを紹介しますと・・・
- 疲労回復
- 高血圧 予防・改善
- 動脈硬化 予防・改善
- 美肌効果
- 冷え性改善
- 食欲増進
- 便秘 予防・改善
- 免疫力アップ(風邪予防)
- ガン予防
(ただし、にんにくは薬ではありませんし、体質にもよりますので、必ずこれらの効果が得られるというわけではありません。)

疲労回復
体のエネルギーは糖質+ビタミンB1で作られます。
ただこのビタミンB1は体への吸収が悪くて、余った分はすぐに排出されてしまうのが難点。
そこでにんにく成分【アリシン】がこのビタミンB1をパワーアップさせ、吸収が良く、余っても体内にしばらくとどまれるようにします。
こうしてエネルギーの生産性が向上するので、疲労回復に良いというわけです。
高血圧・動脈硬化の予防・改善
にんにく成分【アリシン】には、血管を拡張する作用と、血圧の上昇に関わるACE(アンジオテンシン)の発生を妨げる作用がありますので、高血圧を正常化させるのに役立ちます。
また、血管の中で悪?コレステロールや血栓ができるのを防ぐ血液サラサラ効果があるから脳卒中や心筋梗塞、動脈硬化の予防にも一役買います。
美肌効果・冷え性改善
にんにく成分【アリシン】【スコルジニン】は、血管を拡張して血液循環を良くする作用があるので、ストレスや栄養不足、化粧品の刺激などで乱れたお肌のターンオーバー速度を正常化させることができます。
新陳代謝を正常化し、お肌が生まれ変わるのをサポートします。
また、冷え性の主原因は血行障害ですから、【アリシン】【スコルジニン】の血行促進作用により全身が温まりやすくなります。
便秘の予防・改善
にんにく成分【アリシン】は、腸を刺激し、蠕動運動(便を押し出す動き)を活発にする作用があります。
また、血行促進作用がありますから、冷えた胃腸を温め、内蔵の動きが活発化することでも、消化・吸収活動をサポートし、便秘改善へとつながります。
免疫力アップ(風邪予防)
にんにく成分の血行促進作用により、体温が上がって血液の流れがよくなります。
すると、血液中にある免疫細胞が体中を巡りますから、当然、免疫力が高まります。
また、にんにく成分【アリシン】には、強力な殺菌・抗ウィルス作用がありますから、風邪ウィルスやインフルエンザウィルスをはねのけるパワーがあるんです。
ガン予防
アリシンが変化したイオウ化合物【ジアリルトリスルフィド(DATS)】には、癌細胞の増殖を抑制し、正常な細胞に戻す働きが確認されています。
【S-アリルシステイン】には、がん細胞などの体内の有害物質に対して攻撃を行うナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きをサポートする作用があり、特に大腸がんの予防に役立つと考えられています。
にんにくの効果的な食べ方は?
にんにくは、そのまま食べるよりも、切ったり炒めたりなど、加工・調理することで様々な成分が新たに生み出されてパワーアップする不思議な食べ物。
生のにんにくとおろしにんにくの成分表を比べてみると・・・
にんにく(生) | にんにく(おろし) | |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 136 | 171 |
たんぱく質(g) | 6.4 | 4.7 |
炭水化物(g) | 27.5 | 37.0 |
ミネラル(g) | 1.4 | 5.7 |
ビタミンB1(mg) | 0.19 | 0.11 |
このように、エネルギーやミネラルなどは、すりおろしたほうが高いという結果になっています!
だから、生でまるかじりするよりも(しないって!)、ちょっと加工するだけで、にんにくパワーをより引き出すことができるんですよ。
具体的には、よりパワーを引き出したい内容によって、効果的な調理方法・食べ方が変わってきますので、見ていきましょう。
すりおろしで生のまま食べると殺菌・抗ウィルス作用
にんにくを切ったりすりおろしたりすることで、繊維質が破壊され、もともとあった成分アリインと酵素であるアリイナーゼと空気が反応し、【アリシン】という成分が生まれます。
このアリシンは、にんにく特有のニオイのにおいのもとでもありますが、殺菌作用がとにかくすごい!
食中毒の予防にもなりますし、ピロリ菌や風邪ウィルス、インフルエンザウィルスの感染予防にもなります。
スライスでもアリシンは生まれますが、アリシンの量を考えると、みじん切りやすりおろしのほうがにんにくの細胞が細分化され、アリシンがたくさん生まれるのでベターです。
アリシンの量は スライス(少)< みじん切り(中)< すりおろし(多)です。
ビタミンB1と一緒に食べると疲労回復に良い
このにんにく成分アリシンは、ビタミンB1(=チアミン)と結合すると、【アリチアミン】となり、ビタミンB1をパワーアップさせることができます。
ビタミンB1というのは、糖質から体のエネルギーを作り出す際に必要になる成分。
ビタミンB1がないとエネルギーが作り出せない=疲れが取れないのです。
しかし、このビタミンB1は、体内吸収が悪いうえ、吸収しきれなかった分はすぐに尿などで排出されてしまう性質があります。
ところがビタミンB1が【アリチアミン】に変化すると、活性持続型ビタミンB1となり、体内吸収率が向上し、体内に長くとどまることができるようになるのです。
ということは、体がエネルギーを作りたいときに、必要に応じて効率よくビタミンB1を供給できるようになるというわけ。
ビタミンB1は普段から摂取しないといけない大事な栄養素ですが、にんにくのアリシンとセットにすることでスタミナアップ力がさらにアップするのです。
ビタミンB1を多く含む食材というと、ダントツで豚肉がおすすめ。
他にも、レバー・豆類・たらこ・ナッツ類なども豊富ですよ。
油で低温加熱するとがん予防に良い
フライパンに油とにんにくスライスを入れ、弱火でゆっくり加熱すると、にんにく成分アリインが【スルフィド類】や【アホエン】という成分に変化します。
「切ったにんにくを油と混ぜる」というところがポイント。
加熱はしなくても良いのですが、弱火でゆっくり加熱するとにんにく臭が軽減されるのでおすすめ。
この【スルフィド類】や【アホエン】には、抗血栓、血液サラサラ作用のほか、抗がん作用もあると注目されています。
みじん切りにしたにんにくとオリーブオイルだけでできてしまうガーリックオイルなんかだと、スグに作れるし、いろいろな料理に使えるので便利ですよ♪
ガーリックオイルのレシピはこちら↓
ガーリックオイルの作り方 by おでのおでん☆
にんにくは食べ過ぎに注意
にんにくは特に生で食べると、殺菌・酸化作用が非常に強いので、食べ過ぎには注意が必要です。
食べ過ぎると胃が荒れて胃痛になったり、胸やけや下痢などの症状を招くことがあります。
量が少ないとしても、空腹時ににんにくだけを食べることも良くないですよ。
加熱にんにく…2~3片/日
普段から胃腸が弱い方は、これよりも少なめから始めてみてください。

にんにくの臭いの消し方
小さいのにさまざまな効果が期待できて、毎日でも食べたいにんにくですが、どうしても気になるのがあのニオイです。
自分だけならまだしも、周りの人に不快な思いをさせていないか?心配になってしまいます。
※食後のニオイがほとんどなく、甘くておいしいのが【黒にんにく】です。
それなら、にんにくのニオイを抑える方法を実践してみてはいかがでしょうか?
完璧に消すことは難しいですが、それでもやるとやらないとでは大違い!
食後に牛乳を飲む
にんにく消臭には牛乳がいちばん!
牛乳などの乳製品に含まれるたんぱく質が、にんにくのニオイ成分を包み込んで胃から上がってくるニオイを軽減してくれます。
本当は、にんにく料理を食べながら牛乳も飲むのが良いのでしょうけど、現実的には合わない組み合わせですから、食後すぐに牛乳を飲んでおくと、翌朝安心ですね。
リンゴやリンゴジュースも効果あり
リンゴに含まれるリンゴ酸やポリフェノールがニオイ成分を分解してニオイを軽減します。
果物ならではのさわやかな香り・食感も心地よいので、牛乳よりは試しやすいですかね。
食後にお茶を飲む
緑茶に含まれるカテキンには消臭効果があるのです。
ウーロン茶や紅茶、ジャスミンティーにもカテキンは含まれていますので、緑茶じゃなくても大丈夫。
(麦茶はカテキンが入っていませんので要注意)
お茶系は食事中も食後も飲みやすいからいいですね。
電子レンジで加熱
ご家庭で調理するにんにくなら、加熱してニオイをなくしてから食べるという手があります。
加熱することで、ニオイの元になる酵素【アリイナーゼ】が壊れて機能しなくなるのです。
焼いても加熱できますが、電子レンジのほうが短時間で内側からしっかり加熱できるので便利です。
-
- 薄皮を付けたままにんにくをラップで包む。
- 電子レンジで加熱する。
※加熱の目安:600Wで30秒(にんにく1片あたり)
丸ごと1個なら、外側の皮も付けたままラップにくるみ、2分程度。
薄皮もむきやすくなりますよ!
にんにくの効果的な食べ方とニオイ消し まとめ
にんにくの力を引き出す効果的な食べ方をご紹介しましたが、意外と簡単なことなんですね。
健康維持の万能薬と言ってもいいくらいのにんにくは、機会があれば積極的に摂るようにしたいものです。
にんにくのパワーゆえに「胃への刺激」と「ニオイ」については気をつけないといけません。
そのせいでにんにくを積極的に食べられない方は、【にんにく卵黄】でにんにくを摂るといいですよ。
にんにく卵黄は、にんにくの刺激もニオイも抑えてありますし、卵黄パワーとの相乗効果もあって、女性にも人気があります。
刺激やニオイが気になる方は、にんにく卵黄で代用してみてはいかがですか?